白い煙と黒い煙



 ”白い煙と黒い煙”について調べたことを、少しお話しましょう。

第一次世界大戦後(日本の戦争特需終了)の戦後恐慌期から世界大恐慌へと続く慢性不況から、
沖縄でも、米はおろか芋さえ口に出来ずに毒性のあるソテツを食し飢えをしのいだと言う 
” ソテツ地獄 ”を背景に、沖縄から 内地(特に大阪方面)に紡績関係女子行員等の出稼ぎや、
海外への移民が頻繁になった。 
調度その時期に沖縄に赴任した稲垣氏が実体験したことを文章化したものです。
稲垣氏が名護城の丘を散策中、 松の小枝を集め焚いて、
一条の白い煙を立ち昇らせながら名護湾の
遥か沖をじっと眺める老夫婦の後ろ姿に、
何事かと尋ねると、遙かに黒い煙を吐いて沖を走る汽船を
指しながら「あれに娘が乗っています大阪に行くのです」
那覇の桟橋で見送ってやりたいのですが、山坂の二十里はこの歳では無理です。
ですからこの煙で、私どもの居場所と無事を知らせているのです。

稲垣国三郎作 「白い煙と黒い煙」 の一節 (当時国語検定教科書に掲載され全国的知られる)

合図の煙 親子の別れ 汽船のデッキの上から
彼の乙女が涙で曇った目で、ふる里の山を慕い父母を恋いて
この白煙を見つめていることであろう。
白い煙と黒い煙 こうして若い乙女と老いたる親とが、山と海とで互いに切ない
思慕恩愛の情を交わしているのである。春の日は静かに夕靄の中にうすれて行く。
やがて汽船は本部半島にその影を隠した。
つきせぬ名残り一抹の黒煙にとどめて。
                                         大正7年3月31日作

私も、調べてゆくにつれ時代背景を知れば知るほど、
            この文章に心打たれ、書かずには居れない。



土地:分筆、合筆、地目変更、地積更正  建物:新築、滅失、種類変更、増築  各登記手続き
土地測量全般、境界問題等々  土地・建物に関することなら何でもお気軽に
ご相談下さい  info@inagaki-web.com
[PR]

by inagaki_sokuryou | 2009-03-19 13:02 | 先代のひとりごと  

<< ” ムベ ” 沖縄でのこと >>