” 芝と苔が共生する庭 ”


4月初旬、測量の仕事でお邪魔をしたお宅の庭には、心惹かれました。
朝の陽射しを燦燦と受けた40坪程の庭には、苔類(ハイゴケ?スギゴケ?)が一面に主役を成し、
所々の定位置に、草花の芽が自分の場所とばかりに出始めている。
主役を明け渡すまでの一時の輝きを、苔類達は謳歌しているようであった。
玄関先を通り、南側の濡れ縁の前に出ると、芝生が植えられ飛び石が庭を案内するかのように、
庭の中程まで設えてある。
飛び石の間隔もほど良く、高さも心地よく歩を進められる。
庭の中程はまさに苔類、芝生からどこで苔にかわったのか?
視界を妨げないほど良い位置に、柿の木が一本、冬枯れの季節に残された実が
ひよどり達を喜ばせそうに、樹形を見せている。
柿の木は子供の頃を思い出させる、懐かしい木である。
測量作業も草花の芽や山野草と思われる芽を傷めぬ様、慎重に進め、機械点を御自宅を
回るよう選点し、北側の角に測量機を設置している際、足元にシュンラン(春欄)を目にする。
こんな場所にも、人知れず咲く(山里では無いのでこの表現は適切では無いが)シュンランが・・・
地味な山野草であるが、うつむき加減に咲く花は風情がある。
私の自宅の庭は、三坪程、こちらの庭とは比較にならないが、
娘は英国風に、子供が遊べるように、・・・・とか、妻は日当たりの良いのはここ、
何を植えたいとか・・・・・、私は山野草を中心に・・・・、そんな庭は無理とはわかっていても、
言って楽しみながら、 それなりにまとめている。
こちらのお宅の様な庭だったら、この辺に何・・・・・ここは何と・・・・ 
こちらのご夫妻が造られたように、私達夫婦も同じように造っていたかもしれない。
そんな風に考えていたら、心楽しく、本当に良い庭だと、思うことしきり・・・・・
沖縄好きの自分にとって、こちらの庭は、もう一つ気に入っていることがある。
隣地境界塀の手前2m程離れた、南側濡れ縁から真正面の位置に、
身の丈ほどの庭木が何本か行儀よく並んで植えられ、屏風状に造られていたことである。
多分、目線から塀を隠したものと思われるが、
私には、沖縄の「ひんぷん」を連想させたからである。
沖縄の屋敷は玄関を南側に設けるのが通例であり、「ひんぷん」とは、
屋敷の正門と母屋との間に設けられた屏風状の塀のことで、外からの目隠しや、
悪霊を防ぐものと言われています。この塀を樹木で作ることもあります。
訪問者は、正門から「ひんぷん」の左右どちらかを回り、庭先へ出て、
玄関へと訪問するのである。
「ひんぷん」を連想させた、こちらの樹木塀と境界塀との間にも、日陰を好む山野草が
ご夫妻の目を楽しませているのかもしれない。
広大な屋敷の高木の下の苔庭や、寺院の苔庭も美しいが、
こちらのお宅の庭は、草花等を愛しむご夫妻の人柄を見事に映し出しており、
いつまでも心に残る庭であった。
心温まる出会いに、今日も感謝である。
測量作業を完了帰る際には、白髪の似合う穏やかなご主人とにこやかに傍に立たれる
奥様に深々と頭を下げた私である。




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by inagaki_sokuryou | 2009-04-16 08:56 | 先代のひとりごと  

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